赤血球の構成成分「鉄分」
鉄の働き
鉄は赤血球のヘモグロビンの構成成分として全身に酸素を運び、体の機能を高める働きがあります。
不足すると・・・
鉄が不足すると脳を含め、全身が酸素不足となるため、様々な症状が出ます。
■身体
・運動するとすぐに息切れする
・疲れやすい
■脳・神経系
・無気力
・イライラしやすい
・集中力低下
などといった症状があります。
また、血液の濃度が低くなるため、
・顔色が悪い(青白い、血色が悪い)
・瞼の裏が白くなる
といったことも起こります。
鉄分は普段どのくらい摂っているのでしょう??
鉄分は成長期の子供のほとんどが不足している状態です。
特に、月経のある女子では充足率が著しく低い傾向にあります。
鉄を含む食材は、多くありますが、吸収率が5%~35%程度ととても低く、十分摂取するのはなかなか難しいのです。
男子 | 女子(月経あり) | |
---|---|---|
推奨量(mg) | 10.0 | 6.5(9.5) |
摂取量(mg) | 7.5 | 6.3 |
過不足(mg) | -2.5 | -0.2(-3.2) |
充足率(%) | 75 | 97(66.3) |
男子 | 女子(月経あり) | |
---|---|---|
推奨量(mg) | 11.0 | 10.0(14.0) |
摂取量(mg) | 8.0 | 7.4 |
過不足(mg) | -3.0 | -2.6(-6.6) |
充足率(%) | 72.7 | 74(52.9) |
■なぜ足りなくなるの?
1)急激な成長に伴い、鉄の必要量が増える
成長期では筋肉や骨・脳の発達など、成長の度合いが大きく、それに伴い鉄の必要量が増大します。
2)生理によって鉄の喪失量が増える(女子)
月経がある女子は出血に伴い鉄の喪失量が多くなります。
成長期で月経がある女子は成長に伴う必要量に加えて月経による喪失量も補わなければならないため、特に注意しましょう。
3)スポーツによって鉄の必要量・喪失量が増える
スポーツで汗をかくことによって少量ですが鉄は失われるほか、スポーツ時の激しい衝撃が足裏にかかることによって赤血球が破壊され、鉄が失われる原因となります。
4)その他:ジャンクフードなど、不規則な食事では十分な鉄の供給が出来ない!!
偏った食事では、偏った栄養しか摂れません。
バランスの良い食事を心がけましょう。
■1度にたくさん摂れば問題ない?
鉄の吸収は体の中でうまくコントロールされています。
すでに体の中に多く鉄が存在していれば、鉄の吸収率は下がります。
成長期は鉄が不足しやすいからといって、一度にたくさん摂ってもあまり吸収されないため意味がありません。
■鉄の摂取チェック表
以下の食材、ちゃんと食べているかな??
1)マグロやカツオなどの赤身の魚
2)赤身の肉(ヒレやモモなど。)
3)レバーやホルモンなどの内臓系
4)赤貝やアサリなどの貝類
5)ひじき、海苔などの海藻類
6)胡麻やアーモンドなどの種実類
7)味噌、納豆、油揚げなどの大豆製品
8)ほうれん草や青菜などの色の濃い野菜
9)食事の時にレモンやすだちなどの柑橘類がある。(果物・野菜全般を良く食べる)
10)食事のときは緑茶・コーヒー・紅茶は飲まない
■チェック表解説
1)~4):動物性の食品で、鉄の中でも吸収率の良い「ヘム鉄」を多く含んでいます。
5)~8):植物性の食品で、鉄の中でも吸収率は低めの「非ヘム鉄」を多く含んでいます。
9):「クエン酸」や「ビタミンC」を多く含む食品で、鉄と一緒に摂ると、吸収率がUPします。
10):「タンニン」を多く含む食品で、鉄の吸収を妨げてしまいます。
これらは食後、少し時間が経ってから飲みましょう。
お茶の中でも麦茶はタンニンがとても少ないため、食事中のお茶を選ぶなら麦茶がおすすめです。