主な栄養素の簡単解説集
栄養素・・・。名前はよく聞くけど、いったいどんな働きがあるの??
そんな疑問を解決すべく、私たちの生活において必要な主な栄養素について簡単にご説明します!!
■炭水化物(糖質)
即効性のあるエネルギー源です。ハードに動きまわるダンサーにはしっかり摂って欲しい栄養素です。炭水化物(糖質)は口の中の唾液で消化が始まります。しっかりよく噛んで唾液と混ぜ合わせて食べる事がスムーズな消化のポイントです。
摂りすぎると脂肪として蓄積されるため、適量で質の良いもので補給しましょう。
■アミノ酸
体の重要な構成要素であるたんぱく質の材料。
髪の毛、骨など、体の主な構成成分。アミノ酸がたくさん集まり、たんぱく質となる。
毎日の食事で質のよいものをしっかり摂取しましょう。
体を構成しているアミノ酸は20種類で、その内11種類は体内で合成可能だが、9種類は体内で合成できないため、食事からの摂取が不可欠となる(必須アミノ酸)。必須アミノ酸はチームワークで働くことから、9種類全てがバランスよく揃っていることが必要。そのため、1種類でも不足していると全体の利用効率が低下する。
スポーツ選手の場合、日々のトレーニングによりアミノ酸の消費量が増大するので、パフォーマンスの維持・向上のためにも質の良いアミノ酸の補給は必須!!
必須アミノ酸は魚や肉など、ほとんどの動物性のたんぱく質に含まれている。
必須アミノ酸一覧
- メチオニン
- スレオニン
- ロイシン
- バリン
- フェニルアラニン
- トリプトファン
- リジン
- ヒスチジン
- イソロイシン
■脂質
長時間の運動の際に大事なエネルギー源となります。
体型維持の為には敬遠されがちだが、体内では皮膚の保護や潤滑油としての役割があるため、欠かせない栄養素の一つ。また、脂溶性ビタミン(ビタミンA,D,E,K)の吸収を助ける働きもあります。
炭水化物やたんぱく質同様、質の良いものを摂取する必要があるのです。
脂肪の役割
最近はダイエットブームでつい天敵と思われがちな脂肪。しかし、脂肪なしには私たちは生きていく事が出来ません。脂肪について正しく理解し、脂肪と上手に付き合いましょう。
①効率のよいエネルギー源
たんぱく質や炭水化物は1gで4kcalのエネルギーとなります。
しかし、脂肪は1gで9kcalものエネルギーとなるので、同量のエネルギーを得る場合はたんぱく質や炭水化物に比べ少量で済みます。
小食で十分にエネルギーを得られていない場合は脂肪を含む食品をメニューに取り入れる事をお勧めします。
②滞胃時間が長い
脂肪が胃に入ると、胃の消化運動は緩やかになります。つまり、胃液の分泌が緩やかになり、食物の滞胃時間が長くなります。言い換えると「腹持ちがよい」ということです!
ですので、レッスンや公演の直前は脂肪の多いものを食べると体が重くなり、パフォーマンスにも影響がでてくる為、控えめにしましょう。
逆に今日は長時間食べられないな・・・という時は、食事に適度な脂肪を含むメニューを取り入れることで腹持ちを良くする事が出来ます。
③必須脂肪酸の補給
必須脂肪酸は細胞膜の構成成分(リン脂質)となり、血小板凝集や血圧調整に関係する物質の生成に関与します。また、高コレステロール予防の働きもあります。
必須脂肪酸には大きく分けて2種類あります。
1)n-3系:トータルの脂肪摂取量は増えてもn-3系は不足がちといわれています
・α-リノレン酸・・・しそ油、えごま油、亜麻仁油 などに多く含まれる
・EPA、DHA・・・青魚に多く含まれる
2)n-6系:
・リノール酸・・・オリーブ油、ごま油、ひまわり油 などに多く含まれる
・アラキドン酸・・・レバー、卵、サザエ、あわび などに多く含まれる
n-3:n-6=1:4の割合で摂るのが望ましいといわれています。
④脂溶性ビタミンの吸収率UP
ビタミンの中でもビタミンA,D,E,Kの4種類は脂溶性ビタミンと言われ、油と相性の良いビタミンです。そのため、これらを多く含む食材を取り入れる際は油で炒めたり、油をかけて食べたりするなど、油分と一緒に摂るようにしましょう。
⑤保温作用
体についている脂肪(皮下脂肪)は体内から体外への熱の放散を防ぐと共に、体外から体内への熱の侵入を防ぐため、体が急激に冷えたり熱くなったりということなく体温を調整する働きがあります。
⑥体を守る
同じく体についている脂肪(皮下脂肪)は外からの機械的な衝撃に対してクッションの役目をしていると同時に内臓を守る働きもあります。
■食物繊維
人間の消化酵素では分解できない食物中の「難消化性成分」の総称です。
日本人に不足しがちな栄養素の1つであるため積極的に摂りましょう。
水溶性食物繊維
糖質の吸収を穏やかにする事から食後の急激な血糖値の上昇を防ぐほか、余分なコレステロールを吸着し、体外へ排泄する。また、腸内環境を整える役目もある。
納豆、おくら、長いもなどのネバネバ系や野菜、果物等に多く含まれている。
不溶性食物繊維
体内で水分を吸収して膨らみ、腸内を刺激して便通をよくする。
噛み応えのあるものが多く、顎の発達や歯並びなどにも大きく関与する。
米ぬか、小麦ふすま、ココア、きのこ類、おから等に多く含まれている。