熱中対策に大切な『水分補給』
熱中対策に大切な水分補給
夏の暑い日に限らず、春先の少し晴れた日などにも熱中症はいたるところで起こっています。中でも小学生以下の子供や炎天下でスポーツをする学生、高齢者の方に多く目立ちます。2010年の統計では、全国で56,064人が救急搬送され、171人が死亡しています。熱中症を予防するためにもっとも大切なことは、水分補給のタイミングと、その飲料の内容です。そこで、最初にどのようにして熱中症が起こるのか、そのメカニズムを知るところから始めましょう。
多汗による脱水
熱中症の原因は、脱水です。汗を大量にかくことによって、身体の水分が抜けてしまい、汗といっしょに熱を外に逃がす働きが失われてしまって、身体に熱がこもってしまうのです。
熱が下げられなければ当然体調不良を起こし、さらに40℃以上にまで体温が上がってしまえば死亡事故の危険性もあるのです。
水分と同時にナトリウムが必要
では水分を採れば良いのかというと、そうではありません。汗をかくと、水分と同時にナトリウムやその他たくさんのミネラル分を失ってしまいます。そこで水分だけを採ってしまうと、体液が水で薄まってしまいます。体液が薄まってしまうと、実はより危険な状態になってしまうので(詳細略)、水分を吸収しないように嘔吐や下痢を起こします。
そこで水分を吸収させるためには、濃度を合わせるためにナトリウムなどのミネラルを同時に採らなくてはなりません。スポーツドリンクなどにナトリウムが添加されているのはこのためです。
熱中対策に大切な水分補給とは
ミネラル豊富
汗によって奪われたミネラルを補給しなければ、水分が上手く体に吸収されないだけでなく、筋肉や内臓など、体の機能が働きづらい状態になってしまいます。
また、ミネラルが不足すると痙攣やめまいなど、様々な体の不調の原因となってしまう恐れがあります。
ビタミンB群
暑い中で生活するだけでもたくさんのエネルギーを消費します。そして新しいエネルギーを生み出すために、ビタミンB群を使います。つまりこれらを補給しなければ、エネルギーを生むことが出来なくなってしまうだけでなく、疲れもたまりやすくなってしまいます。これが夏バテや熱中症などの原因にもなってしまう恐れもあります。夏を元気に過ごすためにも、ビタミンB群の補給は欠かせません。
甘過ぎない
ジュースや炭酸飲料などの砂糖が多く入った飲み物は、逆に体を乾かしてしまいます。暑い中でのどが渇き、甘いものを飲んでさらにのどが渇き・・・と繰り返してしまうと、どんどん体に砂糖が溜まってしまい、血糖値の変動が大きくなることで最悪の場合こん睡状態にも陥る可能性があります。熱中症対策としては、出来るだけ砂糖の入っていないものを選ぶことが大切です。
自然素材
現在、汗によって失われる栄養素や、エネルギーを人工的に加味した飲料が多くみられます。しかし、これらは熱中症予防に適した飲料のように見えるのですが、やはり人工的に添加したものというのは、子供たちや高齢者は避けたいものです。化学的な添加物というのは、体にストレスを与え、子供たちの成長に悪影響を与える可能性もあります。特に夏場のがぶがぶ水分補給をする上では、出来るだけ自然素材のものを選ぶべきでしょう。